
Restart
第11章 幸福と不安は隣り合わせ
俺の手を握ったまま離さないチエ。
立ち会いするのか聞かれ、『行かないでぇ…チカァ…』と泣きながら訴えたチエの傍に居る事にした。
看護師「大丈夫です?…時々立ち会いなさって倒れられる旦那さんいらっしゃるけど…」
「大丈夫です」
マスクと防護エプロンを渡された。
知恵「…いぃーっ!!…チ、カ…痛、ぃぃ…」
「大丈夫、頑張れ。ここに居るから」
物凄い力だった。
俺の手首を握り締めるチエの手。
額に滲む汗を拭い、和らいだ瞬間頭を撫でてやる。
分娩室に入って一時間以上経った。
医者が入ってくる。
医師「さぁ…頑張りましょうねぇ?もう直ぐ会えるからねぇ♪」
痛みがない時はたくさん深呼吸する様言われたチエ。
何度も深呼吸すると、また直ぐ痛みに襲われる。
悲鳴を上げるチエ。
こんな思いしなきゃならないのかと、早く解放してやりたくなる。
何度も何度も叫ぶ。
医師「いいよぉ♪上手♪…はい今は深呼吸ね?………はい、息んでっ…そう上手よぉ♪」
知恵「…ハァ…ハァ…ハァ…チ、カァ…」
「居る、ここに居るから…頑張れ」
医師「…はい息む!…そう!…頑張れ頑張れ♪…ほら頭見えてきたよ♪…もう少し♪」
知恵「いぃーっ!!」
医師「そうそう♪……ほら♪…お兄ちゃん生まれたよぉ♪」
一人目が無事に生まれた。
物凄い元気な泣き声。
ヘソの緒を切られ、直ぐに包まれた第一子。
医師「さぁ…もう一人♪…頑張りましょうねぇ♪」
知恵「いぃ…ったぁーっ!!」
「頑張れチエ…もう直ぐだぞ?」
知恵「…ハァ…ハァ…もう…いやぁ…チ、カァ…」
汗だらけのチエの顔。
額に何度かキスをして。
再び始まる陣痛との戦い。
叫び続け泣き続けた…
知恵「いぃーったぁーっ!!」
医師「頑張れ頑張れ♪…ほぉら♪頭見えてきた♪…そう!上手よぉ♪」
「…もう直ぐだ…チエ」
知恵「…ゥゥ…チ、カ……ハァ…んんーっ!!」
医師「…そうそう♪……はい、おめでとう♪」
小さく泣き声を上げた第二子。
二人目は女の子だった。
知恵「…ハァ…ハァ…チ、カァ……ハァ…」
「お疲れさん♪……ありがと、チエ♪」
額を拭い、チエにキスをした。
汗なのか涙なのか…
そっと拭ってやった。
タオルに包まれた二人の小さな小さな命。
チエの胸の上に置かれ、涙を流す。
知恵「ゥゥ……良かった…」

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