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第11章 幸福と不安は隣り合わせ


そんなチエに『ありがとうの方が嬉しいよ(笑)』と笑ってから、『ありがとう』って言葉が増えた。

どんなに具合が悪くても…

知恵「…チカァ…」

俺を呼び、抱き締めてやると少し和らぐらしい。

もう直ぐ安定期に入るって頃。
休みの俺が洗濯と掃除をしてた。
悪阻が本当にたまにになったチエと、散歩がてら買い物に出掛けた。

まだまだ寒くて、春って言うには程遠い季節なのに、チエはアイスが食いたいといつも買い物に行くと買って帰って来る。

手を繋ぐ事だけは絶対らしいチエ。

知恵「…ねぇ…赤ちゃん生まれても、絶対手繋いでね?」

「フフ(笑)…いいよ♪手も繋ぐし、キスもする。…身体も繋げてやるよ♪」

知恵「……ごめんね?チカ」

「んー?何が」

知恵「…エッチ…したいでしょ?」

「ははは(笑)…まぁ、したくないっつったら嘘だけど(笑)…別にその為に一緒に居る訳じゃねぇよ(笑)」

知恵「ん……チカ、大好き♪」

「フハッ(笑)…愛してる♪」

買い物の帰り道。
そんな話をしながら笑う時間も幸せだ。


帰って来ていくらもせず、携帯が鳴った。

『チカ、携帯鳴ってる』って言われて冷蔵庫に買い物した物を詰め込んでた俺は、リビングに戻った。

「…ショウ?………はい?」

翔『あー…チカ?…今、家?』

「あぁ。どした?」

翔『ちょっと、行くわ』

「…おぉ」

知恵「…どうしたの?」

「…いや。……ショウ来るって」

不思議そうな顔のチエの頭を撫でながら、考える。

ショウの声からして、恐らく…何か話があるんだろうと察する。
女、か…
俺が結婚する少し前、ショウはヤるだけの女たち全員切った。
俺たちの姿を見ててマジで先の事を考え始めたって、言ってたショウ。

惚れた女でも、出来たか(笑)

密かにそんな事を考えながら、ショウを待つ。

インターホンが鳴って玄関に向かった。

翔「…よぉ…悪いな?休みなのに」

「いや(笑)……一人か?」

翔「あー……いや…」

葵「…初めまして…」

「フッ♪…どうぞ?」

髪の長い、ショウより少しだけ背の低い女が頭を下げた。

耳の赤い、照れ臭そうなショウ。

翔「…お邪魔します……久し振り、チエちゃん」

知恵「いらっしゃい♪……あら…えっ、と…」

葵「…初めまして……宮田、葵、と申します…」

物凄く小さな声だった。

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