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第11章 幸福と不安は隣り合わせ


タクシーでチエを迎えに行き、二人に報告しなきゃって言うからそのまま実家に帰った。

玄関の前で帰ってきた親父と出会す。

父「お、何だ?…お帰り(笑)」

「ただいま(笑)」

知恵「ただいま、お父さんお帰りなさい(笑)」

玄関先で笑った親父とリビングに入ると、お袋も少し驚いた顔してる。

「…チエ、妊娠した」

父「おぉ♪そうか♪おめでとう♪」

母「…」

声もなく、お袋がチエをそっと…それはそれは優しく抱き締めた。
『…良かった』と、小さく呟きながら。

知恵「お母さん…ありがとう」

チエが流産を知らないと思ってるお袋。
必死で笑ってるのを見て、チエが俺に視線を向けるから頷いた。

知恵「お母さん…本当はね?知ってたの、流産、した事」

母「…」

知恵「ごめんなさい。あたしが、チカに言わないでって…だから、ごめんなさい」

母「ごめんね?チエちゃん…でも、良かった」

「ついさっきまで、入院してたんだ…不安だからって」

事情を話したチエに、お袋は『馬鹿ね』と泣きながら笑った。
チエは今回がまた駄目だった時、二人をがっかりさせるからと、医者が確定するまで言わないって言ってた。

やっぱり『馬鹿なんだから…』と呟くお袋。

腹のエコー写真を二人に見せて。

「双子らしい(笑)」

父「何と(笑)」

母「あらぁ♪…そう♪」

兎に角嬉しそうな二人を見て、チエも凄く嬉しそうだった。

母子手帳を取りに行く話やらして、必要な物は親父が『用意するから遠慮なく言いなさい』と笑ってる。
結婚式の時よりも遥かに嬉しそうだった。


翌日、仕事を休み母子手帳を取りに行った。
そのまた翌日の朝。

知恵「…行ってらっしゃい♪」

「チエ?マジで大人しくしてろ?絶対無理すんなよ?」

知恵「フフ(笑)大丈夫♪」

「…ハァ…心配だ」

知恵「ねぇ、遅刻しちゃう(笑)」

キスをして、再び後ろ髪引かれる思いで玄関を出た。

仕事に行けば、全員におめでとうと言われて照れ笑いする俺。
何かあっても直ぐに帰れる様にもしてくれた。

まだまだ腹は変わらず。

細いままのチエ。
キスだけで我慢出来てる自分を褒めてやりたい(笑)

3ヶ月と言われた頃。
チエは具合が悪くなる日が増えた。
少しの匂いで吐き気を催し、ソファで横になってる時間が殆んど。

『…ごめん』って言葉も増えた。

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