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第10章 当たり前を守る為


不安でおかしくなりそう。
連絡しようかとも思ったけど、もし連絡出来ないくらい忙しいんだったら迷惑掛けるし邪魔はしたくない。
…けど。

ソファで膝を抱えて、泣きそうになるのを何とか違う事を考えて打ち消す。

18時半。

智翔「ただいまっ!悪い遅くなったっ!」

リビングに駆け込んできたチカ。
顔を見た瞬間、涙が零れちゃって…

智翔「チエごめん…連絡出来なくて悪かったよ」

「…フゥ…ゥゥ…事故、とか、じゃない?」

智翔「あぁ、大丈夫。ごめんごめん」

抱き締めてくれたチカから、油の匂いがする。

智翔「自分の誕生日なんて全然頭になかったんだよ…」

「…ん…」

智翔「雅に『大丈夫?誕生日でしょ?絶対チエちゃん待ってるよ?』って言われたんだよ」

「…フゥ…」

智翔「ごめんな?」

「んーん…仕事、忙しかった、でしょ?」

智翔「…けど、和も達也さんも早く帰ってやれっつって(笑)」

抱き締めながら『俺の為じゃねぇんだぜ(笑)?』って笑う。
見上げたら、キスをして『チエが待ってるから帰れってよ(笑)』って笑いながら言った...。

「…ごめ、ん…何で…直ぐ、泣いちゃう、んだろ…ごめん、ね?」

智翔「いや、連絡しなかった俺が悪い。ごめんな?」

涙を拭いてくれたチカは、お風呂入ってからにするって、いつもよりかなり早くお風呂を済ませてくれて。

結婚記念日に見つけたシャンパンで乾杯した。

「…誕生日おめでとう♪」

智翔「ありがと♪」

「チカ♪…どうぞ♪」

智翔「…マジか…ありがと♪」

吃驚した顔で受け取ってくれて、その箱を開ける。
小さく声を出したチカ。

智翔「フッ(笑)…これ、同じヤツ?」

「フフ(笑)…全く同じのはなかったの。だから似たデザインのを探してもらった♪」

智翔「…ピアス?」

「うん♪…あたしも、ほら♪」

智翔「ははは(笑)…それもお揃いか♪」

やっぱり笑われた。
だけどチカが凄く嬉しそうで良かった♪

指と耳に着けてあげた。


料理を食べて『美味い♪』って言ってくれて。
遅くなったのはお客さんの車の修理に手こずったからって教えてくれた。
夕方に急ぎの修理が入ったらしい。
18時を過ぎてる事に気付いた雅くんが言ってくれなかったらもっと遅くなっただろうとも言ってた。

そんな大変だったのに、先に帰らせてくれたんだって。

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