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第10章 当たり前を守る為


傷口の抜糸をしてから、お医者さんにもう大丈夫って言われたのは二週間近く経った頃。

まだ見た目は瘡蓋になってて痛々しく見えるらしい。

だからバイトの時だけガーゼを当てて隠してた。
見えない様に隠してるだけだから、家では外してる。

二人でゆっくり過ごす時間、いつもくっ付いてるあたしの手を、チカは必ず撫でる様になった。

綺麗に消えてほしいから、なんだって♪


外に出れば上着を着てても寒くなっきたこの頃。
もう直ぐチカの誕生日が来る。

22歳になるチカ。

プレゼントを何にしようか悩みに悩む。
この間の結婚記念日には腕時計あげたし…
何気なく視界に入った自分の手。
結婚指輪は何があっても外さないでいてくれるチカ。

「フフ♪…またお揃いにしよ♪」

夕飯を作りながら、そんな事を考えたらニヤけてしまう。
きっとまたお揃いだって気付いて笑うんだろうな(笑)


佑加「フフ(笑)…何かチエちゃん楽しそう(笑)」

「え?そ、そう///?」

佑加「うん(笑)良い事でもあった?」

「実はもう直ぐチカの誕生日なんだ///♪」

正直に話せば『なるほどね(笑)』って笑ってた。

バイトも、店長には休みを貰ってて。
宝石店に行って、あたしにくれた物とお揃いになりそうなピンキーリングを探してもらってる。
バイトの帰りに寄るから連絡はしないでもらってた。

何日も掛けて料理を検索してる。

家ではバレない様に携帯は殆んど触らずに、バイトの休憩時間とチカの仕事で居ない時間だけ。

智翔「行ってきます♪」

「いってらっしゃい♪」

誕生日当日。
午前中に家の事を全部一気に終わらせた。
午後、チカの為に料理を始める。

何とか17時までに仕上がった。

お酒も冷やして準備は完璧。
本当はケーキも用意したかったんだけど、チカがあんまり好きじゃないから小さなショートケーキだけにした。

いつも17時半前には帰って来るチカ。

そろそろかなぁ♪
時計を眺めるあたし。
半を過ぎても、チカが玄関を開ける気配がない。
たまには帰りが遅い事もある。
週に一回…多くても2日3日くらい。

だけど…

18時を回った頃。
何だか心配になってきた。
ここまで遅くなる時はいつも連絡くれてたから。

どうしたんだろう。
何かあったのかな…
まさか…事故?
だったらどうしよ…
え…
違う、よね?

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