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第10章 当たり前を守る為


翔「お袋、チエちゃんも腕切れてんだ。診てやって」

翔母「どうしたの?こんな傷作って…ちょっとショウもいらっしゃい」

空いてる診察室に連れられた。

あたしは兎に角ユカちゃんを先に診てってお願いした。

智翔『……はい』

「チカ?仕事中にごめんね?」

智翔『何かあったのか?』

焦った声のチカに、事情を話した。
詳しい話は後でするからって事と、そんな大事には至ってないから仕事が終わったら迎えに来てほしいって。

「だから、急いで来て事故でも遇ったら大変だから。怪我も酷くないの。チカが来るまでショウも居てくれるって言ってくれてる」

智翔「…ハァ…分かった。もう後一時間もかかんねぇから。…チエは大丈夫なのか?」

「うん大丈夫♪…ごめんね?」

電話を切ったら、ユカちゃんが手当てされながら過呼吸になっちゃって。
怖かった所為だろうって、お医者さんが言ってて、落ち着くまでベッドで横になってる様言われてた。

翔母「さぁ、チエちゃんも」

「ごめんなさい」

翔母「謝る事ないでしょ?貴女は被害者なんだから」

翔「そうだよ。またチカが暴れなきゃいいけど(笑)」

結局、ユカちゃんの傷よりあたしの方が深かったみたいで、傷口を縫合された。

智翔「チエ」

和「ユカっ!」

佑加「和、くん…ごめん、なさ…あたし…」

和「大丈夫。もう大丈夫だから。…ハァ…良かった…酷い怪我じゃないんだね?」

そんな二人にホッとして。
包帯を巻かれたあたしは、こっそり隠す。

智翔「大丈夫なのか?」

「うん大丈夫♪」

翔「チエちゃんそのう…「大丈夫だから!全然平気♪…ね?」」

ユカちゃんの前で、あたしの傷の方が酷いなんて言えない。
絶対申し訳ないって泣いちゃうから。
チカはあたしの目を真っ直ぐ見つめて気付いてくれる。
頭を撫でてくれたチカと、ショウが凄く申し訳なさそうに『ごめん』って小さく呟いた。

「ユカちゃん?和くん居るからもう大丈夫だよね?…あたし帰るね?」

佑加「チエちゃんっ!ごめんね?ありがとう!」

「んーん、大丈夫♪…足の捻挫良くなるまで仕事休むでしょ?」

あたしはユカちゃんの頭を撫でて『店長には伝えておく』って診察室を出た。

出た途端、腕の包帯が見つかって反対の腕を掴まれる。

智翔「チエ」

「ごめんね?でもね?酷くないの。本当に」

チカに睨まれた。

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