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第10章 当たり前を守る為


壁に押し付けたチカが、ジッと見つめてきた。
何も言ってくれないから、泣きそうになる。

「チ、カ…あたし、何か、した?……ごめん…チカ……んん!」

キスされた。
いつもの優しくて温かいキスじゃなく、押し付けるみたいな乱暴なそれ。

離れたと思えば首に噛み付くみたいなキスをされた。

「…フゥ…チ、カ…ごめん、ね?…ック…」

胸元にもキスされて、本当ならこんな場所でって抵抗しなきゃなんないのに、チカの雰囲気にそれが出来なかった。

スカートの中の腿を直に撫でて来るチカに、泣きそうだった。

智翔「…ハァ…悪い。マジで。……ごめん、チエ」

急に、チカの震える声で謝られて抱き締められた。
理由とか何にも分かんないけど…
あたしもチカを目一杯抱き締め返す。

「…フゥ…チ、カ…」

智翔「マジでごめん…怖かったな?ごめん、悪かったよ」

「…フゥ…怖く、ない、よ?…だって…チカ、だもん…怖い、訳ない」

智翔「…俺、マジでだせぇな」

「…チカ?」

智翔「トイレで知らねぇ女に声掛けられてイライラしながら戻ってみたら、お前が男に腕掴まれてて…」

「…ん」

智翔「お前が俺以外とどうこうなんてねぇって分かってんのにな?…ムカついた、小せぇ自分に」

肩に額を乗せて、ボソボソ話すチカ。
そっと両頬を包み、キスをする。

「…愛してる。チカが大好き。…チカ?…キス、して?甘いの♪」

小さく息を吐く様に笑ったチカが、ゆっくり唇を近付けて『…キスで、止まるか分かんねぇぞ?』って囁き、それを重ねた。

舌を差し込み咥内を撫で回される。
それだけで、膝が崩れ落ちそう。
腰を抱き、支えられて。
絡めた舌が熱くて、全身が溶けてしまいそう。

最後に下唇を吸われて離れたチカ。

智翔「…やべぇな(笑)」

「…ハァ…ハァ…な、に?」

智翔「その顔。…このまま戻れねぇ(笑)」

「どん、な、顔?」

智翔「"今直ぐ抱いて"って顔してる♪」

「……でも…せっかくのお姉ちゃんたちの……んん!…ぁぁ…」

智翔「…濡れてんぞ♪?」

「駄、目……人、来ちゃ、ぅ…んぁ…」

口を塞がれ指で掻き回されたら、もう立ってられなくなった。
『…悪いチエ。もう絶対ぇしねぇから』って、珍しく切羽詰まったチカの声に、あたしはもう頭が真っ白でしがみ付いた。

ファスナーを下ろしたチカが入ってくる。

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