
Restart
第2章 新世界
倉庫に戻って来たのは深夜。
こんな時間まで帰らなかった事なんか今までで、あの歩道橋に立った時しかない。
あの日もそうだったけど…
親からの連絡は何もなくて。
今日の方がもっと遅い時間なのに…
携帯の画面を見つめるあたしの頭を撫でて引き寄せられた。
やっぱりあたしを必要としてる人なんか居ないんだ。
智翔「…帰るか♪」
小さく頷いたら、嬉しそうに小さく笑うチカ。
肩を抱き寄せ歩き出す。
侑「お疲れ様でした♪」
「…お疲れ様、でした」
車のドアを開けてくれる。
乗り込むチカにたくさんの『お疲れ様でした!!』って声がして、チカが片手を上げてた。
走り出した車は、チカのマンション前で停まる。
「あの、さ…あたし…」
智翔「ほら、行くぞ?」
手を引いて、昼間みたいにマンションの中に連れられる。
チカの部屋に入って、ドキドキし始めた。
ソファに座るあたしに、チカが暫く姿が見えなかったけど、戻って来て『…風呂入れ』って何でもないみたいに言う。
「…え…いや、だって…あたし…」
智翔「ん?」
「着替え、とか、何にも…」
智翔「あー…まぁ、下着はねぇから我慢しろ。Tシャツとハーフパンツ置いてあっから」
戸惑うあたしを他所に、チカは煙草を咥えた。
迷うあたし…
チカはただ黙ったまま煙を吐き出す。
静かに立ち上がり、已む無く風呂場に入った。
シャワーを終えて、置いてあったTシャツとハーフパンツを履いたけど…
「……大き過ぎるんだけど…」
智翔「…」
あたしの姿を見て、固まる智翔。
やっぱり大き過ぎて変なんだ…
着てた服に着替え直そうと風呂場に戻り掛けたら、チカに腕を掴まれて抱き締められた。
「ちょっ!…チ、カ?」
智翔「…ハァ…ヤバ……お前、何でそんな可愛いんだ?」
「可愛っ///…ちょっ///チカ///」
恥ずかしくて踠くけど、びくともしない。
智翔「…ハァ……風呂行ってくる」
パッと離れたチカは風呂場に向かったんだけど…
横顔がほんの少し赤くなってた気がした。
その所為でこっちまで恥ずかしくなって。
ソファで膝を抱えて踞ってた。
その夜。
チカの部屋の大きなベッドで寝た。
隣で寝るチカは、いくらもせず寝息を立て始めてたけど、あたしはドキドキが止まらなくて暫く眠れずに居た。
目を覚ましたらチカは居なかった。

作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える