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第9章 平穏な日々を…


やっと時間になり搭乗した。
お袋は相変わらず『久し振りねぇ♪』と嬉しそうに喋ってて。

知恵「…チカって、乗った事あるの?」

「あぁ。餓鬼の頃に」

知恵「へぇ…凄いね♪」

「…けど、あんま覚えてねぇ。小さ過ぎて(笑)」

本当は俺が窓際だった。
だけどチエが初めてだって言うから、何も言わずにチエをそこに座らせた。

親父がこっそり笑ってた。

動き出した瞬間、チエの手に力が加わる。
飛んだ瞬間のチエの顔は、きっとずっと忘れないだろう(笑)

ずっと窓の外を眺めてたチエ。

「…大丈夫か?」

知恵「…ん」

具合が悪いのかと思って声を掛けたけど。

知恵「……ちょっと…泣きそう…」

感動してたらしい。
たかだか飛行機に?と思った俺に、『…いつも、初めてがチカと一緒で嬉しい♪』と。
少しだけ瞳を潤ませてた。

頭を撫でて肩を抱き寄せれば、泣きそうな顔で笑ってた。

今まで。
俺に出会う前までは、何一つ楽しい事も嬉しい事もなかったチエ。
こんな些細な事でさえ、泣きそうになる程に喜ぶこいつは本当に真っ直ぐで素直で可愛い。

後ろの席でお袋は寝てしまったらしいけど、親父がそんな俺たちを見てたらしい。
後から『本当に可愛い娘が出来た♪』と喜んでた。


4時間近く掛けて着いた、グアム。
空港に姉貴夫婦が迎えに来てた。

美奈「チエちゃんっ♪!」

真っ先にチエに抱き付く姉貴。
ブライアンが『お疲れ様でした♪』とやっぱり上手すぎる日本語で笑った。

ホテルまでブライアンの車で送ってもらうと、部屋で荷物を置き少しゆっくりした。

窓の外は海。

知恵「……綺麗…」

小さく呟くチエが、振り返り『ねぇ見て?綺麗だよ?』と笑うから、背中を抱き締めた。

「…チエの方が…なんてキザな事言ったら笑う(笑)?」

知恵「フフフ(笑)…笑う(笑)」

「フッ(笑)…けど。マジで俺にはチエにしか興味ねぇからなぁ(笑)」

知恵「それはさぁ…あたしもそうだけど……ねぇ、後で散歩しよ?」

砂浜を指差したチエの頬にキスをして頷いた。


夕飯に誘われてた俺たちは、姉貴の電話でフロアに下りた。

姉貴の為に必死で作ったブーケとイヤリング。
ブライアンにも胸に差す花を作ってた。

知恵「お姉ちゃん、これ…お姉ちゃんみたいに上手じゃないけど…もし嫌じゃなかったら…」

鞄ごと渡したチエ。

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