
Restart
第9章 平穏な日々を…
オヤジさんに何かあるなら相談に乗るとまで言ってもらえた。
心配掛けた事を詫びれば、気にするなって笑ってくれた。
仕事を始めた俺。
雅「チカァ…ごめんそこのインパクト取って」
「あぁ…ほら」
雅「ありがと!」
和「ねぇ…これずらしたの誰?」
雅「ごめんっ俺っ」
和「もう!何番のか分かんなくなったじゃんっ!」
「…ここのだろ?…これこっち……ほら」
和「え?何で分かんの?凄ぇ…」
達也「おいっ!チカっ!」
「はい?」
達也「客来てるぞっ?」
昼少し前。
チエのお袋さんが来た。
何でチエに金をせびるのか。
そもそも何で俺の職場を知ってるのか…
彼氏が出来たから連絡するなと言った筈のお袋さんが、何故せびりに来る程の金が必要なのか…
「…お待たせしました」
増山「ごめんなさいお仕事中に…」
「いえ。俺も聞きたい事あったんで」
オヤジさんがもし来たら使っていいって言われた、事務所奥の応接室に連れて行った。
事務所で『お疲れ様です』って声を掛けて。
「…どうぞ」
増山「ごめんなさい、直ぐ帰るから…」
ソファに向かい合わせに座る。
増山「チエのアドレスが変わっててね?…教えてほしいのよ」
「…どうして?」
増山「やぁねぇ…娘の連絡先知りたいなんて普通でしょ?スーパーも辞めちゃったって言うし…」
「…どうして辞めたと思います?」
増山「えっ?」
「貴女が来るからですよ。…せっかく楽しんで働いてたのに…チエは渋々辞めたんですよ」
黙り込むお袋さん。
何故そんなに金がいるのか聞けば、彼氏の為だと言う。
事業を始めたらしい彼氏が、多額の金があればもっと大きな事業を展開出来ると言われて金を注ぎ込んだらしい。
まだ足りないと言われもう手持ちがないからチエの所へ行ったんだとか。
「…くだらねぇ」
増山「何?」
「あんた、仮にも母親だろ。…娘が結婚したのにおめでとうの一言もねぇ。もっと言えば、あんたから連絡すんなっつったろうが」
増山「それはっ」
「娘に対して、彼氏が出来たから連絡するなって。…あいつがどんな気持ちだったか分かるか?せっかく生きていこうって思える様になったのにさ。あんたの一言でまた傷付いたんだよ」
俯くお袋さんは、何を思う?
ちゃんと母親としての思いが、僅かでも残ってるのか?
沈黙の中彼女の言葉を待つ。

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