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第8章 新たな生活


親父が婆ちゃんの傍にポツンと座ってる。
そっと肩に手を起き撫でて、線香を供えた。

「婆ちゃんに、会わせてやれば良かった…」

父「フッ(笑)…仕方ないさ。いろいろあったからな?」

「…ごめん」

父「今頃上から見てるさ(笑)」

寂しそうな親父。
泣いてはいないけど、泣きそうな雰囲気だった。

隅に座る俺の傍に来たチエが隣に座る。

『…ねぇ。何処の誰だかも分かんない様な子なんだってよ?』

『そうそう。父親が違うんだって。母親だって今何処で何してるかも分かんないらしいじゃない?』

『いやぁねぇ…そんなはしたない子…』

『だってさぁ、チカだって。刑務所に入ってたって言うじゃない。恥ずかしいったらないわ』

立ち上がり掛けた俺を、止めたのはチエ。
首を振った。

父「…お前たちの子供は、そんなに立派か?」

親父の声に視線を向けた。
ジッと婆ちゃんの遺影を見つめてる。

父「コソコソと陰口悪口言う、お前たちはそんな立派な人間なのか?」

ゆっくりと、叔母さんたちに視線を向けた親父の顔が、怒りに唇を震わせてた。

「…親父」

父「大学に入りゃ立派か。海外に留学すりゃ立派なのか?…大学卒業してパチンコ屋で働いてる息子。留学して一年もせずに結婚したいと帰ってきた娘。…お前らのそんな子供たちより、チカとチエの方がよっぽど優しくて思いやりがある」

『ちょっと兄さん(笑)?』

『いやぁねぇ、そんな怒らないでよ(笑)』

父「初めて会った婆さんを見て、泣いてくれるチエの方が、どれだけ優しい人間か…刑務所に入ってた事、誰より反省して真面目に働いてるチカはお前らなんかよりよっぽど優しい男だっ」

知恵「お父さん…ありがとう…もう、いいから…ありが、とう…お父さん…」

親父に抱き付き泣いたチエ。
『すまん…チエちゃん…』と、声を震わせた親父。

叔父さんたちが居ないのをいい事に、言いたい放題の叔母さんたち。
昔からそうだった。
これでお袋はずっと苦労してきてた。

チエの頭を撫でて、『大丈夫か?』と声を掛ければ頷いたから。

「…すいません、こんな甥っ子で恥ずかしいでしょ?申し訳ないです。…俺たちの事、何を言ってくれても構いませんよ?俺たちは。だけど。親父とお袋の事、馬鹿にする事だけは許さない。…俺の耳に一言でも入ったら、ただじゃおかねぇ。それだけは覚えとけ」

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