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第2章 新世界


たくさんの視線が、チカと同時にあたしに向けられてる。
ずっと、チカはあたしの肩を抱き寄せたまま離さなかった。

俯くあたしの後頭部をそっと撫でるチカに、やっと気付いた。
『今日だけちょっと我慢してくれな?』って言った意味。

これだけの数の視線を浴びる事なんか、生まれて初めてで。
怖がらなくていいってチカの想い。
チカの彼女だと全員に分からせる為のそれ。

それに気付いたら、さっきまで凄く怖かった気持ちがほんの少し和らいだ気がする。

智翔「…大丈夫。俺が居る」

凄く小さな声だったけど、チカの声はあたしの耳にしっかり届いて、小さくだけど頷いたら息を吐く様に笑った。

翔「…さぁて♪…そろそろ始めますか♪?」

ショウの声に、チカがゆっくり立ち上がった。

潤紀「…集会始めんぞっ!」

ジュンくんの声に、倉庫の中だけじゃなく外の人たちまでが、まるで地響きみたいな声を上げた。

翔「今日はチカの彼女のお披露目会だ。派手に行こうぜ♪」

『おぉぉぉー!!!!』

智翔「…よろしく頼むな?お前ら」

『おぉぉぉー!!!!』

智翔「チエ、バイク乗ってみっか?」

「え…バイク?」

智翔「乗った事ねぇだろ?」

「…ない……でも…怖く、ない?」

智翔「大丈夫、飛ばさねえから♪」

翔「おいっ!…チカのバイク持って来いっ」

ショウの声に全員が雄叫びを上げた。
『チカさんがバイク乗るってよっ!』とか『久し振りにチカさんの走り見れんぞ!』なんて声があちこちから聞こえて来るから、視線を向けて『…あんまり乗らないの?』って聞いてみた。

潤紀「チカさんは普段車なんだよ?…特別な時にしか乗らないんだ♪」

「そうなの?…何で?」

智翔「…危ねぇから乗んなって(笑)」

翔「頭が事故ったらやべぇからね(笑)…今日は全員が何が何でも守るから、チエちゃんは安心しな?」

「…」

翔「大丈夫(笑)…こいつ一人で乗るとぶっ飛ばすから乗せないだけだから(笑)…チエちゃん一緒ならちゃんと安全運転すんだろ(笑)?」

智翔「…当たり前だ」

ショウが楽し気に笑ってチカの肩をパンと叩くと、チカが少し不貞腐れた顔をしたから、思わず笑ってしまった。

智翔「…な?笑わせてやるっつったろ♪?」

耳元で囁くチカ。
恥ずかしかったけど。
ちょっとだけまた笑ったら、チカが頭を撫でてふんわり笑った。

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