
Restart
第8章 新たな生活
「なぁ、チエ」
知恵「…ん?」
帰って来てから、ピッタリくっ付いてるチエを抱き上げた。
腿に座らせ抱き締める。
「…ちょっと、旅行でも行こうか?」
知恵「え…」
「気晴らしにさ?」
知恵「でも…チカ、仕事…」
「一週間くらい、大丈夫だろ?今まで一回も休んだ事ねぇんだし♪」
知恵「……あたし、の、所為?」
「いや♪…お前の為♪」
また、泣きそうな顔をするから。
真っ直ぐ見つめてキスをして。
「チエ。このままじゃ、お前が壊れちまう。楽しそうに幸せそうに笑ってたチエが大好きなのに。ずっと泣いてばっかだ。…チエの、ここの中…何を思ってる?教えてよ、俺に」
胸に手を当てた。
怖くて泣いてるのか。
不安で泣いてるのか。
申し訳ない気持ちからなのか。
全部を俺に話してほしいと、真剣に伝えた。
俯き、暫く黙り込むチエ。
そっと抱き締め背中を撫でた。
知恵「…ごめん、ね?…あたし、ね?」
「うん」
知恵「ショウが、迎えに来て、くれてからは、安心してたの」
「うん」
知恵「…初めて、お店来た時、は、普通に、買い物して帰って…」
「うん」
毎日来るなぁ…って思い始めたのは一週間近く経った頃らしい。
男は必ずチエのレジに来る。
どんなに並んでても、他が空いてようと。
ただ別に何も言われない、何もされない相手に、何か言う訳にいかなかったと。
あまりに毎日来るから、店長に軽く話しておいたらしい。
チエと変わらないくらいのパート女性も、気にはなってたって言われたんだとか。
まぁ、それが恐らく和の彼女だろう。
知恵「…あたし…迷惑、掛けてる、って…ごめんなさいって、思いが、消えなくて…あの時の、事、思い出せば…怖くて…でも、勝手に、溢れて、来るし…このまま、じゃ…チカ、に、呆れられ、ちゃう、って…フゥ…ック…だから、余計、に、ごめんなさいって…ック……チ、カ…お願、い…見捨て、ないで?…もう、泣かない、から…ごめん、なさい…チカ…捨てな、いで…チ、カァ…」
「馬鹿。捨てるかよ。…俺がどんだけお前を愛してるか…伝わってねぇって事か?」
首を振るチエを、抱き上げた。
寝室に向かいベッドに下ろす。
「伝わってねぇから、捨てないでなんて言うんだろ?」
知恵「ごめん、なさい…違、ぅ…」
「どんなに泣いたって…どんなに震えたって…チエを愛してるんだ」

作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える