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第8章 新たな生活


『一人にしないでっ』と、チエの声で止めた。

警官「…被害者の方ですか?」

知恵「…は、ぃ」

事情を聞かれてるチエは、何とかゆっくり話し始める。
レジを交替した後、バックヤードに入ろうとした所を男に声を掛けられたらしい。
振り向いたと同時に手首を掴まれたチエは、振り解こうと手を振るも離す事が出来なかった。
そりゃそうだろ。
こんな細いチエが、男の力に勝てる訳がない。

警官「手首を掴まれた以外は何かされました?」

知恵「今は…何も…だけど…いつも、お店に来て、話し掛けて、来て…」

警官「何て?」

知恵「…僕、が…守る、よって…」

警官「毎回ですか?」

知恵「はい…来る度、に、変な事、ばかり…店長が、その度、に、助けて、くれてた、ので…」

店長「すいませんっ出入り禁止したんですっ…なのに、何処から入って来たのか…」

ずっと俺の手を握ったままのチエの手は震えてる。
背中をずっと擦ってた。

警官「ご主人ですか?」

「はい」

警官「この事はご存知でした?」

「本人から誰かの視線感じるっては言われてたんで、帰りに迎えには来てました」

警官「お二人、あの男性との面識は?」

「ないです」

未だに暴れ叫んでる男を、警官は応援を呼び取り押さえてた。
チエはやっぱりずっと泣いてる。

「すいません、もういいですか?こいつが震えてるんで」

警官「そうですね…えっと…被害届は出されますか?」

翔「当たり前だろっ!」

興奮気味のショウを宥めた。

とりあえず、店長に帰る事と暫く落ち着くまで休ませる事を話し店を出た。

バイクの後ろに乗せた。

「…大丈夫か?」

知恵「…フゥ…チカ、ごめん、ね?…ック…ゥゥ…ごめん、チ、カ…」

「大丈夫、お前が謝る事ねぇだろ」

知恵「…でも…ック…フゥ…」

翔「チエちゃん?大丈夫だから♪な?」

「帰るぞ?」

頷いたチエを乗せ、マンションに帰った。
ショウは帰ろうとしたんだけど、俺もチエも寄っていけって言ったから、部屋に連れてきた。

震えてるくせに、ショウにコーヒーを淹れようとするチエ。

「座ってな?」

俺がキッチンでコーヒーを淹れたんだけど…
少しでも離れると、手首を握り震え出す。

暫くは一人にしておけないと思った。

翔「チカ、落ち着くまで実家に連れてったらどうだ?」

「あぁ、俺も考えてる」

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