
痴漢電車
第17章 番外編 町田百合
尚輝「何だよ、これっ…」
日記にはか弱い字でこう書いてあった
尚輝「…」
今日、私は痴漢に遭った
何が起きたかすぐには理解出来なかった
気持ち悪くて声も出せなくて
されるがまま…
尚輝「誰も気づいてくれなかった、ただ
終わるのを待つしか…」
次のページも、また次の次のページにも
痴漢の事、繰り返される痴漢行為に
悩み苦しんでいると
書いてあった
尚輝「痴漢の事は絶対に誰にも言えない
心配かけたくないし、自分が我慢すれば
済む、それなら…」
百合の日記はその日を境に終わっていた
正確には何ページが続いていたが
らくがきのような字で
読めなかった
尚輝「姉貴…」
これ以上、日記を読む事は出来なかった
まさか痴漢に遭っていたなんて
それが原因で百合は…
尚輝「…」
自殺していたなんて…
