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好き心少なからず

第1章 クラス委員~新田×二階堂~

「ううん。いいの。分かってるから」

首を横に振るから、肩より少し長い髪が一緒に揺れる。

さらさらの、綺麗な黒髪。

「それに、普通、誰だってそう思うでしょ?」

肩を震わせて笑いを堪えながら言われ、その口調に違和感を覚えた。

…は?

「新田くん、優しいね」

二階堂さんはそう言うと、僕の顔を覗き込んで意地悪い笑みを浮かべた。

「普通、あの強引さには引くと思うんだけど」

「二階堂さん?」

突然の態度豹変についていけない僕に

「絢音。さっきはそう呼んでくれたじゃない」

そう言って、僕に手を伸ばしてきた。

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