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好き心少なからず

第38章 法事~曽根崎×二階堂~

速水の気持ちは完全にアイツを向いてる。

それがあの瞬間によく分かったから…

ふぅ…とため息をついてお茶を口にする。

…あ、湯呑み、空だ。

するとすかさずアヤが急須を持ち上げて注ぐ。

「悪い。さんきゅ」

小さい声でお礼を言うと、目だけで微笑まれた。

お前のさ、そういう…見てないようでしっかり人がやること見てる部分が…

俺は苦手で仕方ない。

「そっかぁ…」

タエは首を傾げたままそう呟くと、うん、とひとつ頷いて…

「ダイちゃん」

おもむろに俺に向き直ると、やけに真剣な目付きをして言った。

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