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好き心少なからず

第26章 ライバルだな~栗原×速水×曽根崎~

先輩の言葉はそこまで気合いの入ってない、ただの挨拶だ。

だけど曽根崎さんは笑みを浮かべると

「じゃあな」

片手を挙げて挨拶をして、足早にテニス場へ向かっていった。

何だ。一緒に帰るつもりなのかと思った。

心の中で安堵の息を吐いた。

「テニス部…なんですね」

「うん。副部長」

「あ…じゃあ、上手なんでしょうね」

「じゃないかな?」

よく分からないけど…と呟く先輩に、心底ホッとした。

曽根崎さんにあまり興味無いんだな。

良かった…。

でも。

『ライバルだな』

曽根崎さんは先輩を好きなんだろう。

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