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好き心少なからず

第26章 ライバルだな~栗原×速水×曽根崎~

曽根崎さんが急に振り返って、俺に話しかけてきた。

「へ?俺?」

危うく階段を踏み外しそうになりながら聞き返すと

「速水を『先輩』って呼んでたから。『後輩』って呼ばれてんじゃないの?」

ニヤリと笑う曽根崎さんに、先輩があきれたような声で言う。

「ちゃんと名前で呼んでたでしょ?」

「そうだっけ?」

そう嘯きながら、俺に移っていた視線はすぐさま先輩に戻った。

楽しそうに先輩に話しかける曽根崎さんの横顔を見ながら思う。

絶対、わざとだな!?

イライラを募らせながら、頭のどこかで別の事も考えていた。

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