テキストサイズ

好き心少なからず

第22章 イイコト~梶×宮下~

「どしたの?」

「何でもない」

まさかな。まさか…だよな!?

自分の心に浮かび上がった感情を否定して、トンカチを握り直した。


そして…



「出来たー!!」

サンドペーパーで角を磨いで、ゴム底脚を取り付けた。

「うん、いい感じ」

花夏も何度も頷いて上に乗ると、打面を何度か叩いた。

内側に張ったスナッピーと、針金に通した鈴が、叩く場所によって違う音色を奏でてくれる。

「面白~い!」

本当に楽しそうにはしゃぐ花夏に、自然と頬が緩み…

はっと気付いて、自分の頬を撫でる。

さっきから何なんだよ!?

ストーリーメニュー

TOPTOPへ