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好き心少なからず

第22章 イイコト~梶×宮下~

そんな事を考えているうちに、花夏の家についた。

花夏の家は戸建てで、玄関も今時あまり見かけない木製の引戸だ。

ドアチャイムを押せば、家の中で音が鳴っているのがうっすら聞こえる。

すると

「こっち」

玄関の横…って言うか、庭に向かう方角から声がした。

そっちを向いても花夏の姿はない。

「あ!?花夏か?」

人の家に勝手に入る訳にいかなくて、とりあえず呼び掛けてみたら

「何してるの?早く来てよ」

声だけの対応―しかも何だか苛立った声の―に、心の中で『はぁ!?』と不満の声を上げた。

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