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好き心少なからず

第13章 人が好いヒト~田口×姉ヶ崎~

そう言って姉ヶ崎さんを見れば。

「あ…」

困ったように視線をさ迷わせて、バッグを開くと

「あの!田口君!」

「ん? 」

「これ!もらって!」

バッグから差し出されたのは、小さな紙袋。

突然の事に戸惑っていると、姉ヶ崎さんは顔を赤くして

「あ!お礼!この前の!言おうとしたのにバスで出会わないから…」

紙袋を僕に差し出したまま、顔を伏せた。

この前のお礼、って…

お礼されるような事って言えば、バスでの事しか思い付かない。

「あぁ…そんなのいいのに」

お礼をされるほどの事をしたつもりもないし。

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