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好き心少なからず

第13章 人が好いヒト~田口×姉ヶ崎~

手を出すのをためらっていると

「今日、調理実習で作ったの」

ん?

「カップケーキ?」

僕の問いに姉ヶ崎さんは顔を上げると、目を丸くした。

「どうして分かったの?」

「あ…カズから聞いた」

「あ…部活で?」

頷くと、姉ヶ崎さんも納得したのか「ああ…」と呟き

「私たち、A判定もらえたくらい上手に出来たから、きっと美味しいと思う」

やっぱり。

姉ヶ崎さんもA組だもんな。

「あ、バス来ちゃうから!早く受け取って!!」

急かされて押し付けられて。

ここまでされたら、もらわない訳にいかないよな。

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