テキストサイズ

好き心少なからず

第13章 人が好いヒト~田口×姉ヶ崎~

うーん…気まずい…。

無意味に体をぶらぶら揺らしたり、周りを見回したりしていると、姉ヶ崎さんがチラッと僕を見て、クスリと笑った。

「え?」

「あ…ごめん」

そう謝りながらも、姉ヶ崎さんは笑いを浮かべたままだ。

何だ?

僕の行動が可笑しかったのか?

何となく気恥ずかしくて、動き回るのを止めて大人しくしておく。

すると、薄暗くなってきた景色の中で、車のヘッドライトが妙に眩しく感じた。

何気なくそっちを見ると…

「あ、バス来たよ」

見慣れた緑色のバスがこっちに向かって走ってくる。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ