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好き心少なからず

第13章 人が好いヒト~田口×姉ヶ崎~

「一人でバス待ってたら、さっきの車の人が、これから岐阜駅の方に行くから乗っていかないか?って…」

「それって…」

運転席に座った男の顔を思い浮かべる。

僕の親と同じくらいの年代に見えた。

ただの親切心か?

だけど…

顔をしかめると、姉ヶ崎さんが声を荒げた。

「あ!もちろん断ったよ!?」

慌てて言って、自分の声に驚いたのか、口元を手で押さえて周りを見回してる。

そんな心配しなくても、人通りなんてほとんどない。

「うん。でも立ち去らなかった?」

姉ヶ崎さんは困ったように首を傾けた。

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