
その男、溺愛注意報。
第3章 彼女
「那美、さっきの言葉 俺本気だからね?」
「え?」
穏やかに微笑む俺を
那美は怪訝そうに見つめる。
「…ね、だからちゃんと見て、俺のこと知って。」
那美の艶やかな黒髪を
一束掬って、そっと口付けた。
「ーー……なっ、!!!///」
こういうのは簡単に
あしらってそうに見えて、
実は全然慣れてない那美。
暗くなった夜の闇でも
顔が真っ赤に染まったのが
分かって……
反応、かわいすぎ。
今まで感じていた
“女の子”に対する
可愛いって感情と
今、那美に感じた
可愛いって感情。
どちらも同じ可愛いって
言葉なのに…
なんていうか、
全然ちがう。
可愛いの種類が違う。
