
その男、溺愛注意報。
第3章 彼女
「……。」
那美が、
言葉を止めた。
「彼氏に用事出来たからって言っても、本当は一緒に過ごしたかったんでしょー。別にそこ強がんなくてもいいじゃん?」
大抵の女の子は誕生日とか、
そういう特別な日は
好きな人と過ごしたがるもんだし。
ドタキャンされたら
そりゃ悲しいでしょ。
「無理しなくていいのに。」
ポンッと軽く頭に手を置いて
ふっと柔らかく笑って言った。
「ほら、もう暗いから早く帰ろ?送るよ〜。」
だんだん日が短くなってきたから
暗くなるのが早い。
「いい。」
ツンとした態度で
断る那美。
俺は困ったように
ため息をつく。
