
その男、溺愛注意報。
第3章 彼女
「こんな暗いのに女の子ひとりじゃ危ないでしょ。いいから帰るよ〜。」
そう言って軽く手を引くと
今度は抵抗せずに
俺に引っ張られている。
俺のあとをついてくる様子が
小動物っぽくて、かわいい。
そのまま特に何も
話すことなく歩く。
学校近くのコンビニが
見えてきたので
「コンビニ寄ってい?」
俺の斜め後ろを歩く那美に
一言尋ねた。
「いいけど……。」
「ん、ありがと〜。」
許可も貰ったので
さっそくコンビニの
駐車場に足を踏み入れようと
した、その時……
「だ、だめっ!!!」
グンッと腕を引っ張られ
思わずよろけそうになった。
「ちょ、何?!」
突然すぎる
那美の不可解な行動に
焦った。
