
その男、溺愛注意報。
第3章 彼女
那美
あの子も実行委員
だったんだね。
思わぬところで接点ができ、
なんとなくワクワクする
自分の心。
文化祭の説明が
始まっても
俺はなぜか那美の
後ろ姿を見つめていて、
説明なんか
全然頭に入ってこない。
プリントを後ろに回すときの
伏し目がちの目だったり
制服の上からでもわかる
華奢な体つきとか
サラリと靡く黒髪、とか
目が離せない。
全神経が那美に
もってかれてるみたい
俺は説明があっている間ずっと
那美と同じクラスだったら
こんな感じなのかな……
なんて。
そんな馬鹿なことばっか
考えていた。
