
その男、溺愛注意報。
第2章 出会い
「…………っ!……な、なんのことですか。」
ふいっと俺から目線を
外し、シラバっくれる。
俺はゆるりと口角を上げて
彼女に1歩近づいた。
ベットに腰掛けている彼女の
顔の高さに合わせて少し屈み、
目線の位置を同じにした。
俺の視線に気づいているのに
頑なに目を合わせようとしない。
そんな彼女に
フッと小さく笑った。
ーフニッ
「…っ!!ちょっと!?」
彼女の頬を片手で掴んで
無理やり俺の方を向かせた。
……間近で見ると
余計にこの子の美人さが分かる。
白くて透明感溢れる肌は
柔らかくてきめ細かい
おまけに小顔。
大きな目を縁取る睫毛は
ふさふさで長くて、
筋の通ったバランスの良い鼻に
思わずキスしたくなるほど
プルプルに潤った唇。
痛みのない艶やかな黒髪。
