
学園アリス
第1章 初めて
「・・・お前さ、誘ってんの?」
唇を離すとすぐにそう言う棗。
両手をうちの顔の横について、上から見下ろしてくる棗の瞳にゾクゾクする。
「んな格好して・・・」
んな格好って・・・
うちの格好は、キャミソールにルームウェアのショートパンツ。
夏だからこんなもんやと思うんやけど・・・
「きゃっ」
不意に棗の髪の雫がうちの胸元に落ちる。
いきなりの冷たい刺激に体がビクッとなった。
「んも、棗冷たいやないかぁー!髪の毛、ふかんと風邪引くで?」
肩にかかっているタオルで髪の毛を拭いてあげる。
「んなの、いいから」
手を止められ、そのまま押さえつけられた。
「・・・棗?」
不思議に思って小首を傾げる。
