
学園アリス
第7章 理性と本能と
でも、……だけど。
こいつが病人であることが、ギリギリのところで俺の理性を繋ぎとめている。
今すぐ蜜柑の甘い体に溺れてしまいたいが……
そんな俺の事情より、蜜柑が回復することが最優先。
俺は出来るだけ平常心を保ちながら、首や前の方の汗も拭いてやった。
汗を拭き服を着替えさせた蜜柑に、ふうっと大きく息を吐いた。
よく耐えた、俺の理性。
再び布団に潜り込んだ蜜柑。
布団から顔を半分だけ出して、俺を見つめる。
「棗……ありがとうな」
「いや…、」
なんとなく照れくさくなって、素っ気ない返事をしてしまう。
