
学園アリス
第7章 理性と本能と
俺は蜜柑の隣に潜り込み、上半身だけ起こしたまま
蜜柑の頭を撫でる。
「棗……」
「ん?」
「ワガママ……言ってもええ?」
「フッ……なんだよ?」
優しく頭を撫でながら返事をした。
「……キスしたい」
「…っ、」
思わず頭を撫でていた手を止めた。
こいつ……まじでありえねぇ。
俺が病人のお前を相手にどれだけ我慢しているのか
絶対分かってねぇ。
「ダメ……?」
何も言わない俺に、蜜柑は不安そうに瞳を潤ませる。
んな顔、どこで覚えてくるんだよ。
蜜柑は簡単に俺の本能に火をつける。
「別に、ダメじゃねぇ」
そう言った俺に、蜜柑は嬉しそうに笑った。
可愛いすぎる笑顔に、
はあ、これはまた理性との勝負だな。
と、腹を括った。
