
学園アリス
第7章 理性と本能と
「タオルで汗拭くなら脱いだ方がしやすいかなって……それに、暑かったんやもんっ」
口をへの字に曲げて、目にいっぱいの涙を浮かべる蜜柑。
困ったような、泣きそうなその顔に今度は俺がたじろいでしまう。
「あ〜〜〜」
髪をクシャッと乱暴に触り、深く息をついた。
相変わらずコイツに弱ぇのな、俺は。
「もう怒ってねぇから、頼むから泣くな。」
ベットに腰掛けている蜜柑と視線を合わせるために、床に片膝をつく。
少し見上げると、蜜柑の潤んだ目と視線が絡んだ。
親指でそっと目尻の涙を拭ってやった。
「汗が冷えると寒いだろ。悪化してほしくねぇんだよ…
拭いてやるから背中向けろ」
出来るだけ優しい口調で言い、大人しく背を向けた蜜柑の、白い滑らかな肌にタオルを当てた。
