
学園アリス
第7章 理性と本能と
出来ることならしたい、が…
こいつを寝させて早く治させる方が優先だ。
まぁ俺がキスでこいつの風邪貰ってやればいい話なんだが………
あぁ、
貰うか、風邪。
「……蜜柑、」
「ぅ…、ん〜?」
再びウトウトし始めた蜜柑の名前を、そっと口にする。
「……、」
眠そうに瞬きをして必死に目を開けようと頑張る様子に、無理やり睡魔を邪魔させてキスをするのは、可哀想な気がしてきた。
やっぱ、普通に寝て治させるか……
「ゆっくり休んで、早く治せよ」
小さく笑ってそう言うと、蜜柑は笑顔で返してくれた。
そしてそのまま、すぐに夢の世界へ入っていった。
