
学園アリス
第7章 理性と本能と
やっぱ、冷てぇ。
12月の朝は痛いくらい冷え込む。
俺の首に抱きついていた蜜柑の肩は布団からはみ出ていて、気温のせいで酷く冷たくなっていた。
素肌のほうが直接こいつの体温を感じられるため、服を着ないで寝るほうが好きだが……
もう夏じゃねぇもんな。
こんなふうに冷えて寒い思いをさせるくらいなら、蜜柑が寝ている間に上の服も着せるべきだった。
少しの後悔と、風邪を引いてないかと心配しながら、蜜柑の寝顔を眺める。
冷えた肩を温めるように何度も擦る。
斜め上から見ると、こいつの睫毛がいかに長いかがよくわかる。
ほんの少し開いた唇。
あどけない寝顔に、思わず笑みがもれた。
俺の腕の中で安心したように眠るこいつを、心底愛しいと思う。
