
学園アリス
第6章 誕生日
ゆっくり唇が離れ、大きく肩で息をする。
「棗……」
なんで、急にキス……したん?
そんな思いを込めて潤んだ目を向けると。
「俺以外の男にヘラヘラ笑ってんじゃねぇよ」
「え……」
棗の言葉に息を飲んだ。
「俺以外に んな笑顔向けんな」
うちを真っ直ぐ見つめる紅い瞳。
棗……
「それって…………ヤキモチ?」
首を横に傾げて思ったことを口にした。
「っ、ちげぇよ」
一瞬、詰まった棗。
「あんな間抜け面見せられる身にもなれよ。バーーーカ」
そのままサラリと告げられた悪態に、カチンときた。
