
学園アリス
第6章 誕生日
「なんもしてねえって」
呆れ笑いのような顔で、両手を顔の横あたりに上げる翼先輩。
えっ、えっ!?!
うちの頭を掴んでいるのは……
棗。
そのままズルズルと引きずられた。
「ちょ、棗!?」
焦るうちをよそに、翼先輩は人事のように手を振っているだけ。
「翼先輩ーー!?!?!」
手を伸ばして助けを求めるのも虚しく、そのまま棗に引きずられるようにしてその場を去った。
ードンッ
「っ!!!」
本日2度目の壁ドン。
棗に上から見下ろされる。
「な、何や?」
昼間のことがあったから、ビクビクしながら尋ねた。
「……お前、ほんとムカつく」
……見事にスルーされた。
