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もしも願い 一つだけ叶うなら

第2章 進展

二宮side

大野さんとの電話が終わると12時を過ぎていた。
今まで、こんな話をしたことなかったから本当にびっくりした。あの人、自分の思ってること、特に仕事のことについては思ってること、言わないし聞いてもはぐらかすんだもん。

普段、ぼーっとしてんのに…
あんな意思が強いとは思わなかった。
あの人のほうが演技も踊りも歌も上だし社長も認めてのに…。焦ったなんて言ってたのに、それなのに俺を叱咤する。

あの人の優しさや強さをもらえたことが嬉しい。
そんなことしたつもりじゃないだろうけど、逆の立場なら俺は同じことできたかな…
俺は素直じゃないから、茶化したけど、すごい感動したんだからな…

くそ、あのボーっとした人に諭されてることが
悔しい。
そしてもっと好きになるのも悔しい。
そう思うとクッションを叩いてしまう。

ベッドの上で天井を見ながら…
仕事のことを考えてしまう。
受からないと思ってる時点で負けだな、
俺ができることは100%は出そう。
そうしないと大野さん、みんなに悪いよな…

オーディションってどんなことすんだろう…
そんなこと考えているうちに寝てしまった。
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次の日は翔ちゃんと俺と雑誌の撮影
スタジオに入るとすでに翔ちゃんがきていた。

翔「おはよ」
ニノ「おはよ」
翔「この後、俺、大学なんだ。早めに終われると嬉しい」
ニノ「先、翔ちゃんのカットから先にしてもらえばいいよ」
翔「先、ごめんな」
ニノ「いや、いいよ」

俺はこのあと、相葉さんとロケ前の打ち合わせだし。
二人並んでメイクしていると…

翔「あっ、そうそう。オーディションの資料ちょっとだけど持ってきたよ。たぶん、ちゃんとした資料はマネージャーがくれると思うけどさ」

翔ちゃんがカバンからクリアファイルに入れて資料を渡してくれる。昨日、帰ってから用意してくれたの…?大野さんと飲みに行ったんじゃないの?

ニノ「ありがとう、昨日、帰ってから用意してくれたの?」
翔「ネットの情報を印刷しただけだから、先に情報知るだけな」
ニノ「自分でやらないとダメなのにありがとう」
翔「ついでだから、自分でもちゃんと調べてね」

たぶん、ついでなんかじゃないでしょ。
みんな、ありがとう。受かるために頑張るから…

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