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黒川とぱんぱかぱん!

第2章 黒川虹花は救世主


ただいまー




誰も家に帰ってないと思いここのなかでただいまをしたけど

玄関にはヒールがあった


しまった…
先に母さん帰ってきてたんだ…


昨日も俺の帰りが遅くて少し心配してたし
早く帰った事を知らせないと!



俺はどかどかと廊下に足音を響かせ
リビングの扉を開けた


「ただい…!!」

や、やべぇ…
やばいやばいやばいやばいやばい!!


俺の脳内でサイレンが鳴ってる

「あ!悠ちゃんおかえり!
今日私が一番早くに帰ってきたみたいだから
夕食、ママが作ろうと思って」


気合いが入ってんのか
可愛さ重視なのか分からんフッリフリのレースのついたエプロン姿で

まな板には叩き切ったような材料が…


ど、毒を食わされる!!

コンロを見るとまだなにも調理した痕跡はない
まだ間に合う!


「い!いいよ!疲れてるだろ?
俺が続きやるから!」

こんなことになるんなら早くに帰れば…
俺と父さんの生命があぶねぇ!

「そうゆう悠ちゃんも疲れてるでしょ?
それに昨日は二人につくってもらったから
私もつくってあげようと思って」


つくってあげよう…だとっ!?
どの立場でいってやがる!!

そんな強いこと言えないけど…内心はそうだ


めちゃくちゃありがた迷惑だ


「俺もって事は母さんも疲れてるんじゃん!無理しなくていいよ
外食!今日は外食しよう!ね?」

「…………」


…………………

お、思い止まった?

「でも…もう始めちゃっ」「指切ったり火傷したら困るから!頼むよ!」


「悠ちゃん…そこまでママの事大事に…」


ただの言い訳に少し涙を浮かべている

ちょっと可哀想だけど嘘でもないし!うん…


ごめんなさい。

「行こ?」

「うん…ありがとう悠ちゃん。
本当に良くできた自慢の息子だわ」


そうして二人で外へ出掛けた

明日からも勉強するとはいっても早く帰らなければ…

両立頑張ろ…!

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