
黒川とぱんぱかぱん!
第2章 黒川虹花は救世主
…………
静かな空間に
時計の針が進む音とノートに文字を書く音だけが響く
客が来ると邪魔になると
レジの中に入れてもらい
俺は授業で写せなかった分のノートを
写させてもらい
黒川は別の教科を復習をしているようだ。
「……でーきた!」
途中までは全部書けてたから
案外早く書き終わった。
それに
黒川のノート分かりやすいな
いや、内容はわかんねぇよ?
でも、字は綺麗だし
ポイントや重要なところを
最後にまとめて書いてあったり
パッと見でもすぐわかる。みたいな?
俺も真似して書いてしまった
「じゃあ次なにしよっか…
分かんないとこある?」
書き終えた俺のノートを確認しながら黒川は言った
「全部分からん!」
「特に苦手な教科とかは?」
「…全部苦手…って意見はだめ?」
恐る恐る聞くと黒川は
俺の顔を見て笑った
苦手っつか、やってねぇんだもん
やったこともないのに苦手も得意もあるか
開き直ってもしゃーねぇけどさ…
「じゃあ私の得意なものから教えるのでいい?」
「おう。すべて黒川先生に任せる。」
「先生って…ふふっ…」
本当よく笑うな、こいつ。
「じゃあまずは…数学!」
「げ!一番難しいの選んでないか!?」
「永野くんにとったら全部難しいんじゃない?」
お…おお…結構言うじゃないの……
「大丈夫だよ!数学なんて足し算引き算と、掛け算割り算の応用編みたいなもんだよ?
それにゲームと同じ!」
