
龍虹記(りゅうこうき)~禁じられた恋~
第1章 落城~悲運の兄妹~
彼の脳裏には、いまだに母の沈んだ横顔が灼きついている。彼自身、時々、自分のこの異常とも思える性格は、幼時に起因するものではないかと思うことがあった。
それはともかく、嘉瑛が隣国白鳥の国に眼を付けたのは、そのような経緯があった。また、白鳥の国は土地も肥沃で、農作物の実りも多い。
嘉瑛だけでなく、手に入れたいと虎視眈々と狙っていた武将は少なくはなかった。
烙印
重臣たちの居並ぶ面前で気を失った千寿は嘉瑛の命により、そのまま城の地下牢に投げ込まれた。
相変わらず日に三度の食事は運ばれるものの、粗末な粥と水だけだ。
それは生命を繋ぐ最低限のものにすぎなかった。
それはともかく、嘉瑛が隣国白鳥の国に眼を付けたのは、そのような経緯があった。また、白鳥の国は土地も肥沃で、農作物の実りも多い。
嘉瑛だけでなく、手に入れたいと虎視眈々と狙っていた武将は少なくはなかった。
烙印
重臣たちの居並ぶ面前で気を失った千寿は嘉瑛の命により、そのまま城の地下牢に投げ込まれた。
相変わらず日に三度の食事は運ばれるものの、粗末な粥と水だけだ。
それは生命を繋ぐ最低限のものにすぎなかった。
