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方位磁石の指す方向。

第8章 scene 7

二宮side



お風呂から上がれば、
着信1件、メッセージ1件。

…アホらし。


ぽいっとスマホを投げて、
机に向かうけど。


…いつもこの時間、
翔さんと話してたな、なんて思ったら
やっぱり恋しくなっちゃって。

…あぁ、俺。

とことん翔さんのことが
好きなんだな…

自分でも、バカみたい。


~♪


繋がらないかな…って思ったけど、
もしもし、って眠たそうな声が聞こえて。


「翔さんっ…ごめんっ」

『あぁ、大丈夫。
俺も悪かったし…』


明らかに不機嫌そうなその声。


「ごめんね、ごめんっ。
…朝のことあって、
いろいろ疲れてて…無視、しちゃってた…」

『…だよな。ごめんな。
全然一緒にいてやれなくて、』

「ううんっ、そんなことないよ…
いつも傍にいてくれるのは
翔さんなんだもん…」


ねぇ、

だから、お願い。


不器用な俺の精一杯の気持ち、届いてよ。

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