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ローズ学園

第1章 春太&快斗



「はるたー。」


「なに?」



不意に快斗が話しかけてくる。
僕は入学へのドキドキを抑えながら答える。



「同じクラスになれるといいな。」


快斗が笑顔で言ってくる。



そう。それだ。今僕の中で一番大切なこと。




クラス。



ローズ学園は各学年5クラスある。


1年生と2年生の間でクラス替えがあるけど、やっぱり最初の1年間のクラスは大切だろう。



これで快斗と同じクラスになれれば、もう何も怖いものはない。



心から安心して学園生活を送れるだろう。




僕は快斗の目を見て答える。



「うん!なりたい。」



「ドキドキするなー。はるた緊張してんだろ?」



「そりゃするよ。だって快斗と一緒のクラスだったら最高だけどさ、

もし違ったらこの人見知りの僕が知らない人の群れの中に行かなきゃいけないんだよ!」




僕は熱意を込めて快斗に話す。




「ハハッ気合入れすぎだって。大丈夫。もしクラス違っても遊びに行ってやるから。」




「うん…。お願い。でも、まずは同じクラスになる事を願うよ!」



「そうだな。」



快斗が優しく僕の頭をポンポンする。



中学生になりたての頃は同じぐらいの背だったのに、今では10センチぐらい快斗に負けている。



少し悔しいような気もするけど、ちょっと下から見上げる快斗はかっこよくて、これはこれでいいなぁと思っている。




快斗と一緒に学園へ向かって歩く。

寮は学園の中にあるけど、歩いて10分ぐらいかかる。

それだけローズ学園は大きいのだ。




僕は快斗と一緒に少し長く感じる道を歩く。


うるさい心臓も引き連れながら。






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