
今日も明日も
第69章 sweet trap
「…にのの答えを待ってたら、その前に俺が暴走しそう」
張り詰めたそこを、腰に押し付けて
雅紀がおでこにキスをした
「なら、さっさと言えば」
ぬるぬるした感触が腰に当たって、思わず小さく息を飲みこむ
これだけで、さっきの昇ぶりが戻って来そうになってしまう
「夕方の電車でさ、お前が痴漢に合ってた時」
「え…」
雅紀から斜め上に視線を反らし、必死に記憶を手繰り寄せる
考えたくもないが、男の自分がそう言う目に合うのは1度や2度じゃない
だけどその都度、逃げる事なく対処してきた
殆どの場合、そいつの腕を掴んで引き摺り降ろし、毒舌で相手を糾弾している
「あ……」
だけど1度だけ、それが通用しない相手がいた
腕を掴む前に、相手の力に抑えつけられた事があった
触る、どころでは済まない行為
初めて “怖い“ と思ったあの時
寸でのとこで誰かに助けられた記憶はある
「え、まさかお前があの時の痴漢?」
「…何でだよ!」
あからさまにガクッとした雅紀に吹き出した
