
今日も明日も
第30章 理由はいらない 3rd
何だか変な締めになったけど、そんなのはどうでも良くなるくらい
俺は浮かれた気分で車を走らせていた
目指すのは、有名でも何でもない
小さな神社
コンビニから30分程走って
まともに整備してない、砂利の駐車場に着いたのは
お昼を少し過ぎた頃だった
並んで参道を歩き、凸凹の石段を上がる
賽銭箱にお金を投げ入れて、二人でお参りしていた時
「あれ?…雅紀くんか?」
俺を小さい頃から知っている、宮司さんに声を掛けられた
振り返ると
白と、水色の袴を着た
…良く知った顔
「お久しぶりです」
「良く来たね
あ、お友だちも一緒かい?」
ニコニコと優しい笑顔で二宮さんに会釈した宮司さんは
二宮さんの顔を見ると
“あれ?“ と言う感じに首を傾げた
「…こんにちは」
二宮さんが、“造られた笑顔“ で挨拶する
その顔をまじまじと見た宮司さんが
「もしかして…ヨシさんのお孫さんかな?」
にっこりと、笑った
