
今日も明日も
第22章 のんりある 旅行編
「しかもね、平日だから貸切状態に近いんだって」
…嬉しそうだな、相葉さん
何だか俺より嬉しそうに見える
まあ、その方が
俺も、誘った甲斐があるけどね
「あ、ここだ」
相葉さんが足を止めた
「本当に近い…」
大浴場ののれんの前を過ぎて
廊下を曲がった最初の部屋
曲がったから、見えないのに
つい後ろを振り返って確認した俺に
「近いと何回も入れるね」
相葉さんがにっこりと笑った
「これなら、一人でのんびり入れる…」
久しぶりの温泉を前にして
俺も、テンションが上がってくる
「かず、一緒に…」
「やだ」
にっこり、から一転して
ニヤニヤする相葉さんには、先に拒否しておいた
「かずぅ…」
情けない声
「ばーか」
クスクス笑ってやる
…大浴場には、だよ?
相葉さん、それに気付くかな
