リモーネ
第5章 ペチュニア
泡が顔を流れ落ちたあと、また頭をわしわしと洗う
「セナちゃん」
突然の声に驚いて目を見開き、声のした入り口をみる
「…あ、ごめん、外から言ってたんだけどなかなか返事がなかったからあけちゃった」
少し開いた扉の隙間からかえで先輩の顔が覗いていた
「あ…はい、なにか?」
シャワーのお湯を止めると沈黙が流れる
さっきまで裸同然でいたのに面と向かうとなんだか気まずい空気になってしまう
「いや、俺もお風呂と思ったんだけど、タオルとかどうしたらいいのかなって…」
「あー…タオルですか。たおる…あ、たおる、は、ですね、そこ(脱衣所)にあるのでご自由にどうぞ」
「あ、りがとう、えっと…」
かえで先輩が言葉を続けようとしているみたいだったので俺が話さずにいると(元々話すこともない)かえで先輩が言葉を続けずに変な沈黙が流れてしまった
「…あ、すぐ出ます」
風呂の事を聞いてきたのだから入りたいのかと思い慌てて体を洗おうとする
「あ、やだ!!」
「はい!?」
「お、俺も入る…」
突然大きな声をあげたかえで先輩が少し開いていた扉を、音をたてて勢いよく開く
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