リモーネ
第4章 ツルバラ
残された俺はしばらく呆然としていた。
しかし、目の前の体育教官室の電気が消えたところで我に帰った。
帰らなきゃな。
俺は体育教官室の電気を消した人間と会う前にこの場を去らねばと思い、静かに校門へと駆け始めた。
校門に近づくと門の傍に人影が見えた。
逆光で顔が見えず、先生かと思いどきりとした。
何事もなければいいな。と思いながら駆けていると俺を呼ぶ声がした。
「セナちゃん」
これは、かえで先輩の声。
「なんでいるんですか?」
単純に疑問に思ったことをかえで先輩に言うと、心外だという顔をして、
「セナちゃんと帰るためじゃん」
と昼と夜の間の光のなかで柔らかく微笑んだ。
ほら。と言って俺の鞄の紐を引っ張るかえで先輩に連れられて校門を出た
俺は昼間の普段より俺に構わないかえで先輩に対してモヤモヤとする気持ちを抱えていた。
しかし、かえで先輩のあまりにも普段通りな、俺にしつこく構ってくる様子に問いかける間を失った。
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