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リモーネ

第4章 ツルバラ





「すみません、俺が鍵返さなきゃいけないのに…。」

俺は体育教官室から出てきた神崎先輩に申し訳ないという気持ちを伝えるために軽くお辞儀をしながらそういった。

「良いんだよ。それに、一年が体調を崩したって言ったのは俺だし。俺が返さなきゃ。

むしろ心苦しいことしちゃったねごめん。」


でも、神崎先輩はそんなこと気にもせず、むしろ俺に謝罪しながら、壁にもたれるように立っている凪のほほを軽く叩いた。


「凪。なーぎくーん。ほら、しゃんとして。さっきは非常事態だったから背負ったけど、さすがに駅までは背負えないよー?」


「うー…俺、また?」

しばらく夢から覚めたような目で神崎先輩を見つめていた凪が目が据わった瞬間に顔を赤らめる

「うん。また。しかも今度はセナちゃんの前で。」

凪の頬に手を当てていた神崎先輩の手が凪の髪を撫でるように触る

「え…俺…セナに、嫌われ…?」

凪がそう言って赤らめた顔を真っ青にすると神崎先輩が俺の方を凪の髪を撫でたままゆっくりと見て少し目を細める。

「…凪の事。嫌んなった?」


「あ、いえ、えっと…。」


「そうだよね。セナちゃん、凪のあんな姿見てここ、すごくおっきくしてたもんね…?」


「ん…ぁ…」


神崎先輩が俺の左斜め前から俺のことを目を細めて見たまま右手を俺の股間に少しだけ押しつけ、形を確かめるように撫でた。

驚きと突然の快感で思わず声が出てしまった俺は急いで口を押さえる


「ふふっ…かえでの事。たのんだよ。」


その様子を見た神崎先輩が満足そうに微笑んで、名残惜しそうに俺のことを見る凪を引きずるようにしながらその場を後にする。





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